首都「アシガバット」
トルクメニスタンの首都アシガバットはトルクメン語で「愛の町」を意味します。北に広がるカラクム砂漠と南に聳えるコペット・ダグ山脈との接点にあり、中央アジアの首都としては最南端に位置しています。
町の中心は駅を起点に南西の方向に広がっており、マグトゥムグリ通りやアザディ通りは最も賑やかな通りで、色鮮やかな民族衣装を着た女性達を目にすることができます。
最大の見どころはタルクーチカ・バザールで、絨毯や衣料品、貴金属、食品等さまざまな商品を求め多くの人々で賑わっています。
町の南部にはトルクメニスタン国立博物館があり、ニサやメルヴからの出土品や象牙の儀式杯リュトンなど貴重な品々が数多く展示されています。
また、中立のアーチという高さ95mの塔があり、最上部には黄金のトルクメンバシュ像が町を見下ろしています。
アシガバット近郊 - 世界遺産「ニサ遺跡・パルティア王国時代の城塞群」
ニサ遺跡(世界遺産):
アシガバットから西に約15km、コペット・ダグ山脈の麓にあるパルティア帝国初期の遺跡。パルティアは紀元前3世紀ごろにイラン高原を支配した遊牧民族の国家です。当時の城跡、住居、井戸等を見る事ができますが、土で作られていたため現在は土に還ってしまっているものがほとんどです。出土品はアシガバットの国立歴史博物館に展示されています。
アナウ:
アシガバットの南東12kmのところにあり、15世紀ゴロに「バガバット」と呼ばれた城塞都市で、竜の装飾が施された美しいセイットマジュール・アッディン・モスクで知られていました。鮮やかな青のタイルで覆われたモスクは地震で崩壊してしまいましたが、今なお現地の人々の信仰を集めています。
ダルヴァザ「地獄の門」
トルクメニスタン国内のダルヴァザ付近の地下には豊富な天然ガスがあります。
1971年に地質学者がボーリング調査をした際、偶然、天然ガスに満ちた洞窟を発見し、調査の過程で落盤事故が起き、採掘作業用の装置が置かれていた場所もろとも直径50〜100メートルにもなる大きな穴が開いてしまいました。
有毒ガスの放出を食い止めるために点火し、その後も可燃性ガスが地下から絶え間なく吹き出るため延々と燃え続け、のちにこの穴は「地獄の門」と呼ばれるようになり、未だに燃え続けています。
メルヴ - 世界遺産「国立歴史文化公園・古代メルヴ」
トルクメニスタン第二の都市マーリから30kmほど東にメルヴの遺跡があり、世界遺産に認定されています。(※マーリにはメルヴ遺跡の出土品が展示されている郷土史博物館がある。)
メルヴはかつてシルクロードきってのオアシス都市で、ペルシャと中央アジアを結ぶ中継地点となっていました。「さまよえる町」とも言われ、古い町が捨てられるとその上にではなく隣接して新しい町がつくられ、5つの異なった時代に築かれた町の跡を同時に見ることができます。
また、仏教遺跡の地としても知られています。この中心に位置するのがスルタンサンジャール廟で、セルジューク朝の最盛期を築いた王の眠る廟。これはモンゴル軍の破壊や地震に1000年近く耐えぬいて来た建築技術の高さもうかがえます。
クフナ・ウルゲンチ - 世界遺産
10世紀から14世紀までの間ホレズム王国の首都として栄えた古代ホレズムの都。現在は世界遺産に認定されています。
ここは、近くを流れるアムダリヤ川の恵みを受けてペルシャに通じる重要な交易都市として栄えたが、17世紀に途絶えてしまいました。
敷地内には中央アジアで最も高い14世紀のミナレット、12各面のイルアルスラン廟、キャラバンサライの門、テュラベクハン廟などが今も残っています。
トルクメンバシ
カスピ海に面する港町で、石油の精製が盛んな工業都市。
19世紀後半、帝政ロシアはガラム砂漠を東西に横断する鉄道をつくり、カスピ海を起点としてグズルスウ湾に要塞を建設しました。町は北西の山側から海沿いへと緩やかに傾斜があり、中心は駅前の広場。そのすぐの文化宮殿は第二次世界大戦後に日本人が建てたものです。
広場から5分程のところにある民族学博物館があるのはかつての要塞地帯で、いまも要塞の入口の石造りの建物はいまも見ることができます。